end of shite

敬称略日記

知らないノブは回せない

5時ごろ、あまりにも眠れないのでもう起きることにした。たばこを吸っていると散歩に行こう、と思い立つ、ついでに公共料金も支払おう。

ロボット掃除機を起動し出発、清々しい天気。とりあえず感覚的には左側にある、大変有名だが行ったことのない寺を目指す。

世界で一番気持ち悪いであろう植物を発見、朝日に輝いている。キメラが入っていないと納得できないフォルム。

公園に差し掛かると犬が沢山いる。黒い芝犬が集まっていて、可愛がろうとしたおじさんが盛大に吠えられてシュンとしていた。

セブンで公共料金を支払う。この辺までは美容室に行くのに通ったことがある。普段はGoogle mapに頼り切った生活を送っているが、今日はふんだんに時間があるので看板や幟を頼りに目指すことにする。

時間が時間なので参道の店は軒並みシャッターが降りている。休業の張り紙がしてある店も多い、呉服屋の張り紙はとても達筆であまりにもイメージ通り。行ったことのない店が閉店していた。

参道が急に途切れる、頼りにしていた幟もなぜかボロボロだ。十字路で立ち止まっているといかにも参拝した雰囲気の老婆が現れる。老婆が来た方向に進むとそれらしき屋根が見え、ついに到着。

なんとなくイヤホンを取った方がいい気がする、しかもBluetoothイヤホンは尚更取らないとだめな気がしてぴゅっと取る。先客がいたのでさりげなく木を見ている雰囲気を出して待つ。苔の生した、恐らく桜の老木を至近距離で見ていて植物のグロテスクさを思い出す。木の皮を突き破って猿の腰掛が生え、カラメルのような樹液が吹き出している。山に住んでいたときは掌の中にあったグロテスクさ。

先客の方はお百度参り?というくらい何度も手を合わせ頭を下げていたのでお参りは任せて帰ることにする。

どうやら脇道から入っていたようで正規らしき門から出る。老婆におはようございます、とあいさつされる、ウォーキングのマダムがジムに行けなくて筋肉が落ちた、と話している。どうやらフランク?な寺のようだ。知らない寺社仏閣、身の置き方が不明で不安にだけなって帰ることが多々ある。現にお百度参りの方は私が知っている方向の真横に手を合わせていた。

知らない道を通って帰宅、こっちに違いない、と確信がある。つまらなそうな道だな、と思ったがかなり趣深かった。無意味なアーチや装飾のある集合住宅、選挙ポスターが貼られすぎた個人経営の床屋など、写真をたくさ撮る。知らない餅つき大会が中止になっていた。

知ってる繁華街に差し掛かる、明るいときに見るスナックの看板は面白い。休業の張り紙が多い、私が働いているスナックも休業の末無くなってしまうのかな。首輪をしている猫が扉の前でノブを見つめ開けて欲しそうにこちらをちらちらと見ている。知らないノブを回すことはできない。

どんどん人が増えてきた、世の中にはこんなにも早く出勤している方がいるのか。

真空ジェシカ空気階段のラジオを聞いた。

帰宅すると玄関でお掃除ロボットが出迎えてくれた。ビーチサンダルで1時間半も歩いたので足の感じたことのない部位がぴくぴくする。

ふらふらと仕事、接続が悪くなるたびにタバコ吸った。酒飲んでもう寝ます。